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日々わくわく
子どものすてき
きらりと光る子どもたちの姿をみなさんにお届けします。
2014年9月1日
原風景

 

人が自然を愛するところには、その人それぞれの原風景がある。

私の場合は、海とれんげ畑である。

 

私が小さい頃、土佐道路はなかったし、サンシャインもなかった。

田んぼのあとに、ただただ一面にれんげが咲いた。

私はそれが大好きで、友だちと毎日お花摘みをして過ごした。

このとき、その幸せと共に、強烈に覚えていることがある。

それは、雨上がりの日だった。

いつものようにれんげ畑を走っていて、どぶんと、

水たまりに思いっきり浸かってしまったのである。

その気持ち悪さ。

靴下がぐしょぐしょになって、もう、ぜったい嫌!

と思ったことを覚えている。

それ以来、目は行く先の水たまりを探すようになった。

 

海でも、似たような記憶がある。

 

母の兄が土佐清水市に住んでいて、

夏はいつも、いとこたちと岬の海で泳いだ。

あるとき、あの岩まで泳いで行こう!

と決めて、泳いでいった。

ところが、

あと、ちょっと!あともう少し!

というところで、必ず大波が来て、何度ものまれた。

げほげほ言いながら、それでも従妹と何度も挑戦した。

しかし、あほみたいに大波が来てあっぷりと沈んでしまい、

とうとう、あきらめるに至った。

そのとき、黙って従妹と見つめ合ったことと、

その岩をじっと見つめていた自分をはっきりと覚えている。

どぶりと沈んだ瞬間もね。

 

今、この記憶に行きあたった時、

すくすくの森にいる子どもたちを思う。

 

自然のなかにどっぷりおるということは、

快と不快がセットなんだね。

おもしろいと怖いがセットで、美しさと気味悪さがセットだね。

両方が身体に入るね。

 

前に、忘れ物をした子どもと一緒に、5人で森に入って、

わんぱくの森で、なんか連想うそっこ話で盛り上がってたら、

急に子どもたちが、

「ねぇ、置いて行かれるかもしれん、はよう帰ろう。」

と言いだし、あり?そうなの?と思って帰った覚えがある。

 

両義性に身を置くことこそ、

意味があるんだね。

 

わかくさの子どもたちが、たくましく自然を愛せますように。

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