行事というのは、回数が少ない。
いわば、学びの節目。
そして、年長さんのときの運動会は、一回しかなく、
小学一年生のときの運動会も一回しかない。
さて、ビデオを撮るか、目で見るか。
私は、ビデオを撮らないが、
ビデオは、後に家族全員で再生して見ることができる。
本人も自分の姿を見ることができ、
こう、みんなで思い出や充実感に、もう一度浸ることができる。
さらに、見に来られない家族の人、おじいちゃん、おばあちゃんにも、
その姿を伝えることができる。
記録という宝物が残るという感覚もあるだろう。
一方で、目で見ることの良さは、
「生」ということである。
目ほど、すばらしくフォーカスを変えられるものはない。
全体を見ようとすれば、瞬時に見られ、
わが子を見ようとすれば、瞬時に見られるし、
他のお友達のところにも、瞬時に視点の移動ができる。
ズームは効かないけどね。
しかし何より、すごいのは、共感覚である。
私は、この音楽会で、自分の息子がとてもとても緊張しているのを感じた。
そして彼が、自分の出番で、
役割のシンバルに全力を傾け、
指揮に集中し、最高に意図的に音量を調節し、
さらに、リズムをしっかりとろうとしていることを、
感じ取って、涙した。
それは、とてもかけがえのない、心の姿だった。
めずらしく母の心だが、
あの感覚は、目で見ないと味わえないもので、
おそらく、一生、私の心に残るだろう。
あの空気を共に味わうこと。一期一会の尊さ。
究極の選択。
子どものすてき。