園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2015.01.20

対決 ・・・年長児

 

久しぶりに、子どもと対決した。

避難訓練でまじめになれないMちゃん。

日頃から大事なところで、ちゃかす、という態度を問題に思っていた私は、

対決することに決めた。

 

笑って逃げようとするところを羽交い絞め。

泣こうがわめこうが、職員室から出さず、

「避難訓練って何ですか」

という問いかけを繰り返す。

 

自分の思いに正直な子は、対話が成立するまでに時間がかかる。

 

思い出すなぁ。

つき組の担任した時。

Hくんとどれだけ対決したろう。

もう、思うだけで胃が痛かったこともあったね。

ふざけることで自分の存在をアピールしていた子が、

まっとうな場面でまっとうなことをするというのは、

とてもとても勇気がいる。

すくすくファミリーコンサートのとき、

震えていた手を思い出す。

小学校にあがったとき、

音楽会の挨拶を大勢の人の前でやったと聞いて、

とても嬉しかった。

胃が痛くなるまで、対決してよかったと思った。

 

さて、Mちゃん。

逃げる、捕まえる、問う、泣く、問う、一応答える、

地震や火事の映像を見せる、逃げる、捕まえる、わめく、

などを繰り返しているうちに、

Mちゃんが避難訓練とは何か、全然わかってない、

ということがわかってきた。

 

40分ほどたって、

答えたら外に出してくれるか、と聞くので、

あたりまえや、

と答えると、やっと、対話が成立しはじめた。

 

彼女は、おそらく年少の頃から、

避難訓練はどうでもよかったのであろう。

火事や地震が何かもわかってなかったし、

そのためにどうしなければならないのかもわかってなかった。

ただ、周りの流れに乗っていただけ。

年長の3学期に、そんな子がいるんだということがわかって、

申し訳ない気持ちになった。

消防士さんと企画して、服を燃やして火の怖さを伝えたこともあったけどね。

それで、

避難訓練はあなたの命を守るための練習なんだということを伝え、

そのためにしなければならないことを実践的に伝え、

だけど、そんなことをちゃんとMちゃんに伝えられていなかったことを

謝った。

 

すると、Mちゃんは、

「ううん、ゆうの方が悪い~。」

と涙をぬぐった。

そして、「はい、終わり。」と帽子を渡すと、

「ありがとう~。」

と言って、去って行った。

 

 どっと来た疲れと共に、

心がほんわか染まった。

 

子どもって、かわいいよね。

 

Mちゃんのすてき。