久しぶりに、子どもと対決した。
避難訓練でまじめになれないMちゃん。
日頃から大事なところで、ちゃかす、という態度を問題に思っていた私は、
対決することに決めた。
笑って逃げようとするところを羽交い絞め。
泣こうがわめこうが、職員室から出さず、
「避難訓練って何ですか」
という問いかけを繰り返す。
自分の思いに正直な子は、対話が成立するまでに時間がかかる。
思い出すなぁ。
つき組の担任した時。
Hくんとどれだけ対決したろう。
もう、思うだけで胃が痛かったこともあったね。
ふざけることで自分の存在をアピールしていた子が、
まっとうな場面でまっとうなことをするというのは、
とてもとても勇気がいる。
すくすくファミリーコンサートのとき、
震えていた手を思い出す。
小学校にあがったとき、
音楽会の挨拶を大勢の人の前でやったと聞いて、
とても嬉しかった。
胃が痛くなるまで、対決してよかったと思った。
さて、Mちゃん。
逃げる、捕まえる、問う、泣く、問う、一応答える、
地震や火事の映像を見せる、逃げる、捕まえる、わめく、
などを繰り返しているうちに、
Mちゃんが避難訓練とは何か、全然わかってない、
ということがわかってきた。
40分ほどたって、
答えたら外に出してくれるか、と聞くので、
あたりまえや、
と答えると、やっと、対話が成立しはじめた。
彼女は、おそらく年少の頃から、
避難訓練はどうでもよかったのであろう。
火事や地震が何かもわかってなかったし、
そのためにどうしなければならないのかもわかってなかった。
ただ、周りの流れに乗っていただけ。
年長の3学期に、そんな子がいるんだということがわかって、
申し訳ない気持ちになった。
消防士さんと企画して、服を燃やして火の怖さを伝えたこともあったけどね。
それで、
避難訓練はあなたの命を守るための練習なんだということを伝え、
そのためにしなければならないことを実践的に伝え、
だけど、そんなことをちゃんとMちゃんに伝えられていなかったことを
謝った。
すると、Mちゃんは、
「ううん、ゆうの方が悪い~。」
と涙をぬぐった。
そして、「はい、終わり。」と帽子を渡すと、
「ありがとう~。」
と言って、去って行った。
どっと来た疲れと共に、
心がほんわか染まった。
子どもって、かわいいよね。
Mちゃんのすてき。