園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2015.07.20

好きって言えない。  ・・・2歳児

 

もう、随分前のお話。

 

物静かなJくん。

この世界に、まだ、あまり馴染めない。

 

だから、飛行機の図鑑を静かに見ている。

隣に座って、一緒に眺める。

 

「Jくん、Jくんは、どの飛行機が好き?」

と尋ねると、すっと話をそらした。

まだ、2歳のJくん。

 

好きって言えない。

 

心を込める、ということが、こわい。

心を動かす、ということが、こわい。

だから、静かに、離れて、過ごす。

 

でも、2歳だから、やわらかい。

私が、わからないふりして繰り返し尋ねているうちに、

はっきり「これ。」と指差し、「好きなのね。」と念を押すと、

「好き。」と答えた。

 

言ってしまえば、簡単。

「好き」が、ちょっと普通の言葉になる。

 

2歳はやわらかい。

Jくんが、心を動かすことを怖がらなくなるには、

およそ多くの時間がかかるだろうと、思っていた。

 

2歳はやわらかい。

Jくんは、どんどんどんどん、

この世界が好きになった。

目が動き出し、目が輝きはじめる。

コトに着目していた目が、人を見るようになる。

 

モノやコトは、心を傷つけない。

傷つけるのは、人。

でも、最高の幸せをくれるのも、人。

 

Jくんの心が動き始める。

「恐い」の先には、必ず喜びがあり、

「恐い」があっても、「安心」は離れないことがわかるようになる。

 

そうして、Jくんが羽ばたく。

 

子どものすてき。