園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2015.07.30

大きな木

 

大きな二股の木があって、

そこに、インディアンの少年がどっかりと座っていました。

その少年は、化石になろうかというくらい長い間、ピクリとも動かず、

ずっと一心に何かを見つめていました。

 

それはどうも、鋭い枝と重い石のようでした。

 

しばらくすると、雷が鳴り響き、あたりが暗くなりました。

雨がザーザーと降りしきり、

少年はびしょ濡れになりました。

 

それでも、少年は動かずに、その木に座ったまま、

枝と石を見つめていました。

 

そこへ、ねずみがやってきました。

ねずみは、少年にこういいました。

「もう、時間だよ。」

 

すると少年は、枝を手に取り、大きな幹に登りはじめました。

登るにつれて、もう一本の幹が消えていき、

二股の木は、一本のまっすぐな木に変わりました。

 

月が上り、星が降り、木はますます大きくなりました。

どこからかフクロウがやってきて、

「ホー、ホー、」

と静かに鳴きました。

少年は、てっぺんまで上ると、月に向かって、

何かを唱えました。

そして、太陽が出てからも、同じ言葉を唱えました。

 

太陽が、そのままあたりを明るく照らし始めると、

少年は、下に戻り、その鋭い枝を木に突き刺しました。

木は、少しだけ悲鳴をあげ、そこに洞をつくりました。

 

少年は、その洞をじっと見つめました。

足元には、レンゲショウマが咲いていました。

少年は、その洞に住むことにし、生涯をその木と共にしたのでした。

 

ちょっとしたお話。