みなさんが、もし当たり前の行動の一つ一つに、
意味づけをしようとしたらどうなるだろうか。
例えば、なぜ食べるときに決められた場所があるのだろう、とか、
なぜ今ここで立ちあがって移動しなければならないのだろう、とか。
そんなふうに考え始めると、行動はとまる。
だから、今Sちゃんは、動けない。
しかし、その心のなかは、哲学的な思考で満たされている。
何が必要で、何が必要でないのか。
何のためにそれがあり、何のためにそうするのか。
しかし、時間はどんどんと進み、
答えを見つける前に、さまざまな出来事が迫ってくる。
だから、Sちゃんは、動かなければならない。
そこで、内省が始まる。
この出来事に、自分はどう関与するのか、
どう、関与すべきなのか。
自分は何を欲しているのか、
そのために今、どうすべきなのか。
Sちゃんの心は、選択色に染まる。
誰も真似できない、知性の領域で、Sちゃんは一つ一つ考えていく。
一つ一つを、誠実に、ままならない心を抱えて生きる。
Sちゃんの表情は、あまりにも透明で美しい。
美しい人。
子どものすてき