運動会、リレーの季節。
2回の対戦で、勝敗が1対1となった場合どうするか。
いろいろ試みて来たが、結局選抜チームによる決戦がしっくりくる。
というわけで、選抜チームの選抜を行った。
運動会4日前。
リレーコースを走って、タイムの早い子どもから8名を選抜する。
タイムが微妙すぎるので、10名を選抜した。
発表時の子どもは、みんな神に祈るような表情だったそうである。
タイムと言う境界線がつくった結果に、
モノ申す者続出。
「もう走らん!」と言ったのは、いかにも早そうである上に、
お家でも、練習を重ねているHちゃんだった。
そりゃそうだ。
一回走ったくらいで、納得できないよね、
ということで、再度チャレンジャーを募ることにする。
おもしろかったのは、
職員室で「他に誰が納得いってなかった?」と先生たちに尋ねると、
明らかに遅い子どもたちからも声が上がっていたことだった。
3秒くらいちがう。
これはいい!
自己像と実際のズレを受け留めるというのは、
とても大切なことだ。
一方で、ちゃんとわかっていて、それを受け留めている子もいる。
Kちゃんは、
「私リレーはだめやけど、ダンスが上手だからいい。」
と言ったそうである。
これぞ、私が求めている子ども像である。
というわけで、再度チャレンジャーと選手による選考が行われた。
タイム後半の子を抜いたら、その子を加えるというもの。
さすがに、一度発表した子を落とすことはできない。
すると、1秒くらい早くなった子がいた。
走れば走るほど、早くなるんである。
というわけで、総勢、11名での対決になる。
1対1になったらね。
Hちゃんは、笑顔で結果を受け入れた。
流石、精神年齢が高い。
他の子も、納得したようである。
昨日、決勝リレーをやってみて、
はじめて負けたAくんは、いじけてピアノの下から出てこなかった。
いつも、ふざけて女子に怒られてましたから、よかったですね。
このAくんは、真剣に走りすぎて、昼に爆睡したという経歴も持つ。
そして、AくんにバトンをつないだYくんは、
「ぼくだって、ぼくだって、大変だったんだ!」
と泣いた。
なんというドラマ。
明日は、運動会。
予定されていたことが、起こる日。
その日まで、心と身体をぜんぶ傾けて、そして、この日が来る。
約束された日。
約束という安心と約束という緊張。
どんな展開が起こるかは天のみぞ知るだけど、
心と身体がスパークして、実りが約束された日。
あるって、いいね。
明日、がんばろうね。