Sちゃんのお茶が、まけちゃった。
袖口が濡れる。
失敗したことに泣きそうになるSちゃん。
うんうん、
大丈夫だからね。
ふけばいいだけ。
とこぼれたお茶をふく。
ちょっと涙がにじむ、Sちゃん。
終わると、今度はTくんが、
「濡れたー!」
と、全く同じくに、濡れた袖口を見せに来た。
なんでしょう。
その溌剌さ。
わざとやったな。
Tくんのすてき。
保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。
毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。
けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。
あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。
きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。
子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。