4月。
なんと豊かな季節であろうか。
それぞれが新しい出会いを果たし、
それぞれが自分の存在をアピールし、
それぞれが思い思いの出し方をするこの季節。
もちろん、秩序なし。
ふわふわとしたこの季節、
2歳からの進級児には、是非ともモデルになって、
みんなを引っ張ってね!
なんて、思うかもしんない。
しかし、実際は無秩序の作り手になって、
率先して、この混乱を深めてくれているんであった。
あはははは。
彼らだって、とてもとても緊張しているのだ。
この新しい生活に。
そんななか、やけに解放されている男ひとり。
Tくん。すなわち進級児。
お誕生会中、ずっとテラスを走り回り、
そのあと、ずっとパンツ一丁で、園庭を走り回ってましたね。
降園まで。
その、幸せそうなこと。
彼は、2歳の一年で、
実は好きじゃないお集まりの時間とか、
「それでも、僕は居なきゃいけないかもしんないね。」と、
秩序の一員として、自分を律していたところであった。
だから、他に行っちまう友だちなんかに、
ものすごく注意をする男にまでなっていた。
ほんとは、そっちに行きたいのよね。
今、このわけわかんない4月。
彼は、自由なんである。
だから、パンツ一丁で走り回るんである。
子どものすてき。