4月のはじめ、Tくんが一言。
「ブロッコリー食べた。」
なにっ!?
ブロッコリーを食べた!?
T、Tくんが!じ、じぶんで、ブロッコリーを!!
た、たしかに、さっきまであった弁当箱の中のブロッコリーがない。
それから、先生たち大騒ぎ。
「Tくん、えらいね~。すごいね~。自分でブロッコリー食べたなんて。」
別の先生が部屋に来るたびに、「ほんと?いや~、すごい~!えらいね~。」
と感動の声。
(ってこの話は、午後の職員室まで続いて行って、やはりみんな新鮮に「わ~!」と嬉しく驚いたのであった。)
「ねぇ、Tくん。君が自分でブロッコリーを食べたって、こんなに大事件なのよ。」
というと、ニヤッと笑うTくん。
そして、次の日もブロッコリーを食べた!
おぉー!!
お母さんに、「今日も、ブロッコリー食べましたよ。」とニヤ笑いすると、
お母さんも「こんな大事件に。」とニヤ笑い。
当の本人は、「明日もブロッコリー食べます!」とにっこり笑顔で帰りました。
ちなみに、Tくん。大のお野菜嫌い。というより、すばらしい味覚の持ち主で、どんなに小さくしても、肉だんごの裏側に張り付けてみても、おむすびに丸め込んでみても、絶対に舌で探り当てて「出す」という・・・。なんて器用。というわけで、私は常に連敗。
去年の一年、あの手この手を使って苦心したY先生なんか、泣くほど嬉しかったことでしょう。いつもは楽しみにするデザートに気乗りしない日なんか、どれほど大変だったか。ふふ。だからこそ、こんな喜びがあるんだけど・・・。
T君には、「君はきっとグルメになると思う。グルメって何かわかる?おいしいものがわかる人。大きくなったら、先生においしいお店教えてね。」って、お話ししました。