園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2016.06.30

ばぁば ・・・2歳児

 

小さな子どもにとって、環境の変化と言うのは、

なかなかに大変なものである。

小さな子どもは、その大変さを言葉にできず、

皮膚感覚で、雰囲気で、心で感じている。

 

その日、Sちゃんは、ばぁばとお家に居たかった。

自分を守るために、壁をつくる。

動かず、しゃべらず、時間をやり過ごす。

 

そんなSちゃんと、ちょうちょにシールを貼って、

ちょうちょを作る。

だんだん、目が動いてくる。

これ、Sちゃんにプレゼントするね、というと、

小さな声で「ばぁば。」

と言った。

あぁ、そうね。

ばぁばがいいね。

と抱きしめる。

 

心が動いたときに、出てくる思い。

 

それから、二つ目のちょうちょを作る。

今度は手が動いて、一緒にたくさんシールを貼って、

テープもビタンビタンと貼った。

心が動き始める。

 

そして、こう言う。

 

「ばぁばに会いたい。」

 

そうね。

と抱きしめた。

 

なんとなく、じっとしているのにも限界が来た。

「お散歩行こうか、」と下へ降りる。

私の手を引っ張り始めるSちゃん。

あぁ、ばぁばのところに行きたいんだね。

とてもとても迷っているけど、ほんとは行きたい。

 

というわけで、

「じゃぁ、ばぁばのお家、教えて、」といって、

外へ出た。

2人で手をつないで、歩く。

なんとなく、2歳の超能力とかであたったらどうしよう、

などと心配する私。

はは。

 

結局、まわりを一周する。

目の前に幼稚園が広がると、さっと顔がかたまる。

 

ごめん。

 

そして、くるっと振り向いてまた歩くけど、

行き詰まり感もあって、

「抱っこしよう、」というとホッとしたみたいだった。

そして、心を一度とめて、あきらめて、幼稚園に帰った。

 

そんなこんなで、毎日を過ごし、

いまでは、すてきな笑顔が見えるSちゃん。

一日一日。

一歩一歩。

 

子どものすてき。