放送係の話。
字がすらすら読めると、案外、その内容を覚えてなかったりして、
そして、他の子よりもたくさん覚えなくちゃならなくて、
後半、苦戦していたLくん。
しかし、練習は常に一回やったら「もうえいです。」
そんな彼に、ある日、個別練習をすることにした。
声も感じも最高にいいが、覚えなくちゃね。
「この間の総練習で、困ったろう、緊張して全然思い出せんで。
本番で、困って止まるのは、誰ですか。
まみこ先生ですか。
(一応、首を振る。)
わかったら、職員室に来なさい。
一緒に練習する。」
という。
さて。
来るかな。
しばらくして。
おお。
彼は自ら来た!
よし。
というわけで、練習する。
途中で案の上、嫌になって笑いだす。
次の個人練では、とうとう踊りだした。
踊りながら、放送の内容をラリラリ言う。
それでも、
「はい、もう一回!!」
というと、
「えぇーっ」と叫びながら、
さらにラリラリ踊った。
そして、本番は、バッチシだった。
Lくんのすてき。