彼には、彼の、それなりのご意見があった。
彼は、ある日、お友達の家族と焼き肉を食べに行った。
そこで、戦いごっこをし、思いのほか、強くあたってしまって、
相手は泣いて、自分の親に訴えた。
それが、彼には納得がいかなかった。
彼も、別の場面で自分でふとももをぶつけた。
結構いたかったらしい。
しかし、「男だから、泣かない。」と言った。
ほぉ。
そんな、男気をもっておったんだね。
焼肉屋の出来事を聞いていて、
「じゃ、つまり、戦いごっこで痛かったのを、
泣いて親に言うな、といいたいわけやね。」
というと、
黙って頷いた。
おそらく、日ごろの言動とあいまって、
なんとなく自分が悪いという雰囲気を感じ取ったのだろう。
しかし、彼には彼の言い分があるわけだ。
孤独と共に、それを感じているわけだ。
でも、それはなかなか言葉に出して言えない。
言えないから、幼稚園で「結局僕は、悪い子なわけ?」
と試す。
彼の思いを聞いた後、「君は悪い子じゃないね。」
というと、安心したようで、いつもの調子に戻った。
一般論ではあるが、親同士の関係と言うのは、なかなかに難しい。
我が子の言い訳をすると逆効果であることが多く、
やはり、自分の子どもを相手の親御さんの前で、
きちんと叱らなければならない。
なんとも辛いものである。
幼稚園だからこそ、できることがたくさんある。
保育者はいつも中立の立場。
一緒に、頑張っていこうね。