園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2016.12.10

空 ・・・年中児

 

彼と一緒に空を見た。

彼と私は、今、とても抜き差しならない緊張関係にある。

まず、彼の朝の挨拶は、「園長まみこ、バカクソウンコ」である。

そういうわけで、結構なバトルが続いている。

顔面に蹴りをくらったときは、結構本気で痛かった。

というのも、私が時に彼を羽交い絞めにするからであり、

彼は圧倒的な大人の力に屈辱を感じ、向かって来る。

しかし、大人は大人なのである。

先日は、森で持っていた棒をもぎりとって、ぶん投げてやった。

自分でも会心のぶん投げだった。

 

私は、彼と二人だけの時間を大事にしている。

静かな、落ち着いた時間を、お互いに落ち着いて過ごすこと。

そうは、取れない。

あるときでも、7分くらいである。

 

この日は、私に追いかけてほしくてちょっかいを出してきたので、

一緒に職員室に忘れ物を取りに行った。

案の上、誰もいない園庭に羽ばたく。

そして、「追いかけて」と言うが、

もう、私はそのとき体力の限界を迎えており、

「まみこ先生、ムリ。

 めっちゃ眠たい。」

といって、芝の上に寝っ転がった。

 

そのとき見た空が、あまりに美しかった。

白い園舎の壁と蒼い空。

高知の空は、澄んで高い。

 

「ほら見て、白に青、すんごいきれい。」

 

なんというか、予想外の展開に様子を見ていた彼も、

隣に寝転ぶ。

 

「ほんとや。」

と、二人で空に見入った。

 

と、ここが神様のすごいところ。

 

なんと飛行機雲が下から現れた。

その先には、飛行機。

青空にすっと一筋。

すっかり嬉しくなって、二人で飛行機の後を追う。

 

と、彼が私の上に乗ってきた。

抱きしめると、ほっぺにキスのようなものをしてきた。

私たちの間には、常にある種の緊張感が流れているので、

親愛100%の何か、というわけではない。

 

そして彼は、キスしたあとの私の顔を、自分の手でぬぐった。

私は、彼のこういうところが、心底好きである。

彼が持つ人との距離感や根底にある紳士的なところが、

たまらなく好きだと思う。

 

そのあと彼は、大口で私の顔を噛んできた。

はは。

それで、そのおおきな面積ごと手でまた拭おうとしたので、

「化粧が取れる。」

と笑ってよけると、「化粧って何?」と聞いてきた。

 

それから、彼は真横の雲梯を渡り始めた。

どうも、私の上にそのまま飛び乗ってやろうと画策して、

バランスを崩し、こけそうになった。

ざまぁみそづけ。

 

だけど、蒼い空に彼は映えた。

「おぉ、いいねぇ、白い壁に蒼い空、動く身体、

 すごくいい!」

というと、とても嬉しそうだった。

 

いろいろあるわね。

いろいろ。

 

だけど私はあなたが好き。

ずっと、一緒にいられるといいな。

 

子どものすてき。