久しぶりに年中のごっこ遊びに入った。
傍らで見るつもりだったが、
「来たからにはもちろん相手してもらいますよ」という、
子どもの存在感に負けた。
このごっこ遊びは、そのメンバーのキャラにあった毒のきいた遊びで、
おかあさんのTちゃんと、化け猫のEちゃんと、赤ちゃん猫のMちゃんが、
主要なメンバーであった。
化け猫て・・・。
そして私は、文字通り、毒入りのご飯をたくさん食べることになった。
「はい、どうぞ。」
「おいしそう~。」
「毒入りです。」
「ええ~!
う、苦し~。」
てなやりとりを何度か繰り返す。
私があらためて感じ入ったのは、
ごっこ遊びというのは、
その子の「らしさ」が良く出る遊びだなということだった。
私に毒のごちそうをたくさん運んでくれたEちゃんは、
社会派で、人とのやりとりが好きな子である。
だから、とても丁寧なしぐさで、化け猫というよりは、
店員さん風になりきって、私に何度も食事を運んでくれた。
最初は、実にカフェですか!という丁寧な盛り付けだったが
だんだんと皿のごちそうが盛りだくさんになり、
焼きそばが皿からはみ出してドカンと出てくるに至り、
本人はキャハハハと笑っていた。
一方、彼女の双子の姉は、どちらかというと芸術家肌で、
今回は赤ちゃん猫になりきっており、
そんな心持ちで、とても赤ちゃんであった。
しかし、ニャーニャーと言いながら突如冷静な動きを見せ、
机の上いっぱいになったごちそうを、さりげなく元の場所に片付けて、
また、ニャーニャーに戻ったり、
ニャーニャーといいながら、
黙って私に座布団を勧めてくれたりして、
私は甚く感動したのであった。
つづく。