はと組で、Aくんと紙コップ製作の絵本を読んだ。
結構、作りたいものがあって、彼は、円盤を作りたくなった。
普通は、よし!と盛り上がるところだが、
今回は違う。
彼は、私に紙コップをもって来てといった。
「いやぁ、ないんじゃない。」というと、
じゃあ、職員室にあるはずだから、持ってきてという。
「でも、飲んでないじゃん、新しいの使うの?
これも、飲んだ後のって書いてありますけど。」
ふくれっつらをするAくん。
「Aくん、この間、まみこ先生と会うたろう。
あのとき、幼稚園でAくんて頑張ってるなぁって思ったわ~。
だって、あなたずっとわがまま言ってたもんね。
お母さんとお父さんに。
幼稚園では、そんなことないもんなぁ。
よう、頑張ってるわ。」
「で、何?
今みたいなとき、怒るわけ。おかあさんに。
もう!紙コップ、もってこい!わぁ!って。」
というと、
「うん。」とうなづきかけて、首を振り、
「お母さん、やさしい。
Aにやさしい。
かわいいし。」
今、私の顔を見ていったな。
「そりゃそうや。おかあさん、美人やし。
やさしいんや。
ほんなら、こんなとき、
Aくんにどうぞ、紙コップって、くれるんかいな。」
「うんそう。」
「そうか。ここは違うね。」
(いや、私でなければ、渡すであろう。
だって、作ってみたいっていう意欲はとても自然なものだものね。)
彼は、少し考え、ぱたんと本を閉じ、
「いいわ、お家でやる。」といった。
「そうしい、そうしい。」
ということで、嫌味満載なお互いの会話のわりに、
雰囲気は丸かった。
それから、彼は、使いかけの折り紙と鉛筆を持ってきて、
家でできるように、作りたいページを書いてくれという。
なるほど、それは実にごもっともである。
とうわけで、私は、ちょいと省略してそれを書き写した。
彼は、それをじっと見ていた。
そして、紙コップと書いてあるかどうか、
強調確認してきた。
「紙コップがいる」ということをきちんとお母さんに伝えたいらしい。
なるほど。
上に「紙コップ」とデカく描くと、
とても納得して受け取った。
作ってきたら見せてね、というと、うんとうなづいていた。
楽しみだな。