園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2017.03.20

イケメンの緊張 ・・・卒園児

 

イケメンという言葉はまだあるだろうか。

イケメンと言うのは、もって生まれた資質である。

彼らは、自意識が高く、プライドが高いので、

人前で何かするということは、たいへん苦手である。

 

そんな!

失敗したらどうするが!

笑われたらどうするが!

そんなもんありえん!

 

というわけである。

しかし、友だち関係のなかでは、確固たる意志や態度を示す、

頼りがいのある男となる。

先生の前では、あまり自己を表現しないが、

友だち関係となると俄然生き生きとする、

というのがイケメン族である。

 

さて、そういう男の一人、Kくんは、

生活発表会への取り組みのなかで、

お母さんにこういったそうである。

 

「Sくんとか、二つも役できるのってほんとにすごい。

 僕なんか、もう、一つで精いっぱいや。」

 

これは心の声であろう。

他者と自分の違いをこんなふうに分析できるなんて、

さすがKくんである。

 

だからして、卒園式で一人壇上に立ち、

夢を語る、

なんてことは、もう、ありえんことなのである。

 

しかし、彼は、実に素晴らしく、

とても滞りなく、それをこなした。

手を挙げて返事をし、

礼をして証書をもらい、「ありがとうございます」といって、

振り向いて夢を語る。

 

彼が心で思っていることはただ一つ。

 

「早く終われ」

 

であった。

 

実際彼に聞いてみると、

「なんでわかった。」という顔をしていたが、

出番の間中、彼はずっと「早く終われ」と念じていた。

 

えらいね。

よくぞ、乗り越えました。

きっと、コマ大会での大後悔が、背中を押したね。

あのとき、できなかった思いが、次へのステップを生む。

 

これからも頑張ってね。

Kくんのすてき。