Lちゃんが、泣き続ける。
「ままぁ~。」
「ママやない。
抱っこしてと言うて。」
「だっこ~。」
というわけで、一日泣いているLちゃん。
お人形さんのようで、そして細い。
しかし、ものすごく、ずっしりと重い。
なぜ、そんなに細いのに、重いのか。
それは、体支持がないからであった。
そんなLちゃんが「ままぁ~。」と泣いているのをよそに、
「いかんいかん。これは。
いっぱい歩かないかん。
ハイハイも、ジャンプも、いっぱいせないかん。」
と全然別のことを言うドウモトエンチョウ。
そして、彼女を抱っこしながら、こんなことを言ってみる。
「Lちゃん。ちゃんとお母さんに言うちょってよ。
幼稚園、嫌です。
幼稚園には行きません。やめます。
てね。」
ところが、「うん」と言わないのである。
私が、これをなんべんいっても、
そこのところは、じっとだまっている。
おもしろいなぁ。
一つ上のJくんは、宣言したけどね。そうやって。
というわけで、「ままぁ。」としか泣かんのに、
実は幼稚園の出来事に興味をそそられているLちゃんであった。
そして、私の嫌味満載な言葉にもめげず、
「だっこ~。ままぁ。」を繰り返すのであった。
お帰りのときに、「私を見ろ~。」と泣きだしたLちゃんだったが、
保育者全員がお帰りタイムで抜き差しならん状態を察すると、
ちゃんと泣き止んでいた。
そして、次の日から泣かずに遊ぶようになり、
ご機嫌でお弁当も食べていた。
からかうのを楽しみにしていた私だが、
やっぱり、彼女が笑顔でいると、とても嬉しかった。
そして、「こりゃいかん」と言い出した3日後には、
体支持ができてきたりなんかして、
なんかとても抱っこしやすくなったのであった。
よく見ると、
ものすごく細かった他の早生まれの子どもたちの体幹が、
みるみる厚みを帯びて来ており、小さなころの経験と言うのは、
ものすごく大きいのだなと、改めて思った。
子どものすてき。