年長のTくんが、ジュース屋さんをやっている。
非常に狭い場所で、店員一人、社長兼務のTくん。
まわりが気に入らない行動をとると、
すぐに怒り、布をかけて店じまいをする。
あ、もうしまった。
あ、またしまった。
というわけで、なんか、一人になる。
そりゃそうやろう。
怒りすぎですよ、社長。
なんとか、繁盛してたのにね。
そして、Tくんがそばで見ていた私を呼び、
縦書きのひらがなで書いてある、
「じゅーすやさん」という看板を見せ、
「じゅーすやさん。読みにくいろ。」
という。
たしかに、おばけやしきみたいな、
今にもゆうれいが出てきそうな字やね。
それから、布をめくって見せ、
「みてみて、ヨーグルト、二つ分しかない。」
といって笑う。
たしかに、そこにはひっそりと、
ヨーグルトのカップが二つ置いてあった。
一人で店を仕切る男の言葉。
子どものすてき。