園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2017.07.10

これどうぞ ・・・2歳児

 

座って食べない2歳。

渡り歩き、遊びまくる2歳。

 

「座って食べます。」

「終わってから遊びます。」

 

まったく聞いてない、2歳。

そして、ケンカが始まる。

 

うわーん!!

と大泣きで、小さな赤ちゃんの人形に手をのばすRちゃん。

取り合いの末、ゲットしたその人形を、

自分の背中に隠すSちゃん。

Rちゃんは、ほとばしるように全力で泣き、

Sちゃんは、ガンとして動かない。

そばで見る私。

 

Rちゃんの手が伸びて、

Sちゃんと引っ張り合いになった。

ものすごい力で引っ張り合っている。

Rちゃんは、グングンとひっぱり、

Sちゃんは、梃子でも動かない。

 

これで破れん人形ってすごいな、 と思う私。

もう、今にも首がちぎれそう。

「お人形さんがかわいそうよ。」なんて言ってみようかと思うが、

この心マックスには、かける言葉もない。

後ろで、なんとも言えない泣きそうな顔で事態を見ているYくん。

みんながこの雰囲気を感じている。

 

と、Nちゃんが、別のお人形さんを持ってきて、

Rちゃんに、「それ、Sちゃんのよ。」と声をかけ、

「これどうぞ、」と差し出す。

もちろん、聞いちゃいない、Rちゃん。

首を振って、引っ張り続ける。

そこで、Sちゃんに差し出すも、Sちゃんも聞いちゃいない。

 

するとNちゃんは、もう一度ままごとコーナーに歩いて行って、

別のくまさんの人形を持ってきて、二人に近づき、

2人の様子を見て、「これじゃ、ムリか。」と思い直したらしく、

また、ままごとコーナーに戻って行って、

かわいい!というファンシーなうさぎの人形を持ってきて、

2人を交互に見ながら、その間にくまさんとうさぎさんの人形を置いた。

 

2歳でも、心マックスのなかでは、こんなことが生まれてくる。

大人の想像を超えた、けれど人としての自然な営み、

とりなすことや、間に入ることが、

こんな小さな子どもたちの間で、生まれる。

 

この後、ものすごい引っ張り合いの末、

Rちゃんがその人形を手にし、Sちゃんは、ため息をついて、

Nちゃんの持ってきたうさぎの人形を抱いた。

 

そっか。

泣くんじゃなくて、もういいやって思ったんだね。

 

そこで、鬼の園長ドウモトマミコは、

「二人とも、お弁当食べてません。」

とそのお人形たちを取り上げたのだった。

 

せっかく折り合いをつけたのに!

大泣きするSちゃん。

そのSちゃんを抱っこして、

「Sちゃん、えらかったね。

 がんばって、うさぎさんにしたんだね。」というと、

「うん」

とうなづくSちゃん。

 

「Rちゃんもお人形持ってないからね。

 えらかったえらかった。

 さぁ食べよう。」

と(なんとか)なぐさめ、

Sちゃんは、残りのお弁当を食べた。

なすは残したけどね。

 

そして、二人ともお弁当のあとは、

すっかり人形のことは忘れて笑っていた。

 

心マックス。

ケンカのすてき。