Tくんが、テラスの向こうで突っ伏して泣いている。
なになに、何があったの。
で、話を聞くと、
やって、やられて、やって、やられての三角形で、
泣いているということだった。
「なんや、負けて泣いとんのかいな。」
それで、全員で謝ることになった。
しかし、Tくんは、いじけて謝らなかった。
「なんや、友だちには謝ってもらって、
自分は、謝らんのかいな。
それで泣いてごまかすなんて、いきませんな。」
というわけで、代わりに私が謝る。
日常茶飯事のことなのか、
「早く終わって。遊びたい。」
という他の2人。そうすか。どうでもいいのね。
その傍らでSちゃんが、
Tくんの背中をずっと撫でてあげている。
なんて、やさしいのかしら。
しかし、Tくんは、まだいじける。
だが、泣く場所は、クラスの前に移動している。
「ぼくを見て」というわけかね。
「あ、謝らない人だ。」
と言ってみる。
顔をそむけるので、もう一度。
「ねぇねぇ、Tくん。
全然、かわいそうじゃない。
自分で、気持ちかえんと、誰も助けてくれんで。」
というわけで、
泣くのをやめて、折り紙をしたTくんであった。
笑っとるじゃないか。
子どものすてき。