氷を探す探すとやかましい年中児。
はと組の時間に、あるわけはなかろうが、
しかし、見ないと納得しないであろうと、
向かいの畑に、氷がないか見に行く。
「ないでしょう、ほら、やっぱり、」
という言葉をここぞとばかりに、用意していたのだが、
何故か、向こうから「あった!」という声が聞こえる。
え?まじで。
で、行ってみると、とてつもなく大きな氷があった。
なかなか、取れないほど、でかい。
ポリバケツに固まった15センチの氷。
「取れんだろう、」と思って見ていたが、
子どもたちは、こうしたら!あうしたら!とあきらめる様子がない。
仕方なく、腕をまくって、底から取る。
お、重い。
とても、運べんので、一輪車を持ってくる。
子どもに持たすつもりはなかったが、
なんというか、自然にその一輪車は子どもの手に渡り、
「わっせわっせ。」と自然に声を合わせて、
意気揚々と運ぶ姿に見惚れた。
やっぱり、自然の必然が生むダイナミックさっていいなぁ。
氷がでかいから、それを運びたいから、力を合わす。
何もかもが、自然に生まれる。
その氷を一輪車から移動させるべく、
ベンチが並べられ、年長が、さっとタライを出す。
一輪車から取り出すところで、
また、困難に出合い、あうでもないこうでもない、
「いてっ」、「おもっ」という声がでる。
そして、最後は「ここ持っちょって!」と言われた私が、
取っ手を傾けると、感づいた子どもが押して、滑り落とす。
どすん!!という音とともに、タライへ。
あ、落ちた。
さて、どうするか。
すると、子どもたちは、割りたいと言い出した。
なるほど。
「割る」か。
そこで、木槌とトンカチを持ってくる。
各自選んで、振り下ろす。
まぁ、いろいろあり、私はとにかく振り下ろす時に手を出すなと、
ぎゃーぎゃーと頑張る。
順番に8人で3回目あたりで、ヒビがでる。
おぉ。
割れる!
ぴしぴしっと三角に割れていく氷。
割れたところから、宝石といって、陳列する。
今度は、日ごろやっているように、
その太い氷に穴を開けたくなる。
お湯を持ってきて、一点にお湯を垂らす。
深くなってくると、冷たい水がたまって、
そこにお湯を入れるのはもったいない気がしたので、
たまったら、捨てて、また入れることにする。
そのうち、穴に溜まったお湯が、あったかいし、
ぐるぐるすると、早く穴が深くなることがわかる。
そばで見ていた子どもたちは、
どうも、その理屈を理解したらしく、
私がお湯を入れると、ものすごい高速で指をまわす。
協同作業が始まり、無事穴が開いた。
これを4個もやったので、大変だった。
暗くなってきて、お迎えも増えてくる。
帰る時間になると、終いにその太いかけらをたたきつけて壊した。
まず、思いつくのって、強い力で作用を加えることなんだね。
次の日も、氷に付き合わされたが、
薄めの氷しかなく、「雪を作ろう。」と言って、
たくさんバケツに入れて、スコップでがんがんついていた。
そして、生まれた遊びはごっこ遊びだった。
コップに、氷をいれて、そこにヨモギの葉っぱを入れ、
「こうしたら、色もつくし、香りもでる。」といった。
君は天才やね。
それから、チョコの氷もできていた。
子どもがつくる遊びの道。
子どものすてき。