Sくんは、いつも足漕ぎ三輪車に乗っている。
今日は、いったいどんなふうに遊んでいるのか、
気になって、ずっと見ていようとしたが、
何しろ乗り物なのであるから、
他の子の相手をしているうちに、すぐに見失う。
しかし、総じて分かったことは、
全然、退屈そうではないということであった。
自分の行為の一つ一つに、向かっている姿があって、
彼の時間は、限りなく前に広がっていた。
ある時は、チアダンスの真ん中で踊る子たちを見上げており、
ある時は、大型遊具の屋根の下で、
隙間から見える足の形を見て楽しんでいた。
水たまりにできる車輪の後もじっと見ていたりする。
2歳の世界は、すべてがあたらしい。
子どものすてき。