ばら組のマジシャンごっこに呼ばれた。
積み木で作った空間に入った人が、
忽然と消えるというマジック。
ん?
なんか、ガタガタ音が聞こえるな。
とは、思わんようにしよう。
「裏におらんで。」
と数回言っているが、
それは、むしろ聞かんことにしよう。
というわけで、先生が鳴らす「オリーブの首飾り」に合わせて、
マジックが繰り広げられ、パッと布が外される。
おらん!
おらんじゃないか!
いろいろ聞かなかったことにしよう、
を外して、普通に、驚いた。
「忽然」
という感じが実に出ており、
素直に感動した。
それで、もっと感動したことがあった。
この遊びはTくんとAくんが中心になって、作った遊びだった。
だが、Aくんは、ご招待頂いた園長ドウモトマミコが来た時、
恥ずかしくなって身を引き、かわりにKくんが構えていた。
誰かがAくんのことを言って、
先生も、「Aくん、すればいいのに。」と後押しする。
それで、ちょっとAくんがその気になった表情をみて、
すかさず、Kくんが、「はい。A。」
と譲ったのだった。
なんと素敵な光景か。
そこには、相手を尊重する友情が見えた。
つづく。