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子どものすてき
きらりと光る子どもたちの姿をみなさんにお届けします。
2020年10月20日
「ごめんね」の勇気① ・・・年長児

 

彼は、「ごめんね」が言えない。

それが、だんだんと我々の課題としてはっきりしてきて、

そして、ご家庭でもそれが課題になった。

 

そんなときが、乗り越える節目となる。

 

いつも、「沈黙する」でやり過ごしてきたことを、

もう、やり過ごせませんよ、と予告する。

「ごめんね。」が言えない人生というのは、大変である。

「間違いができない」という枠組みで、間違いをごまかすことを学んでしまう。

間違いをしない人間は一人もおらんからである。

だからこそ、この心の柔らかい時期に、

謝ることで救われることを、学んでおかなければならない。

 

彼は、大好きな先生をからかう絵を描いて、

それを先生に見せた。

先生の顔が、さっと曇ったのを見て、

彼は、その絵をぐしゃぐしゃにした。

「まずい」と思ったのだろう。

 

3人で意気投合して描いた、ちょっと許しがたい絵は、

全部で、7枚ほどあった。

いつもは、笑って済ますことも、

行き過ぎるとそうも行かず、

さらに我々も、「今、この時」という課題を持っている。

 

どれを誰が描いたのか不明だったので、

彼に1枚ずつ尋ねる。

彼は、絵を見ながら、明瞭に他の子の名前を言っていく。

そして、自分が描いた物に行き当たったとき、

ぬ、

と止って、「わからん。」と言った。

ある意味正直である。

 

私は、彼が「謝れない」ことを指摘し、

それでは、物事は終われないことを切々と彼に説く。

まず、大好きなA先生が「いいよ」と言えないで、

ずっと、描かれた思いを持ち続けなければならないこと、

同時に、彼自身も、前に進むことができないことを説く。

 

だが、午前中の1時間、彼はそっぽを向いたまま、動かなかった。

もちろん、涙も流した。

私は、「いつまでも、待つから。」と伝え、

「勝手に、自分を言えない子だと決めつけないように、

そんなものは、ぶち破って、前に進むのだ!」

と励まして、PTAさんとの会議にでかけた。

 

先生の顔が曇ったときに、即座にその絵をぐしゃぐしゃにした彼は、

まずかったと、思っていたはずである。

そして、先生ごめんね、と言いたいはずである。

彼は、そうしたハートを持っている子である。

ここは、間違いない。

 

 

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