あやめ組の劇は、「じごくのそうべえ」が骨格になる。
19もの地獄候補のなかから、
コマ地獄、ダンス地獄、なぞなぞ地獄が選ばれた。
話的には、3つの地獄それぞれから、
鬼が首にぶら下げている鍵を取ってくる。
その3つの鍵がそろったら、
閻魔大王保管の箱をあけることができて、
巻物がもらえる。
巻物は、地獄から出る通行証である。
そうべえは、軽々と地獄を突破していくわけだが、
こちらとしては、正規に突破されては困るという事情があった。
なぜなら、それぞれの地獄を管理する子どもたちの得意技だからである。
得意技として光り輝く子どもの場面が、
突破されて陰ってしまってはいかんのである。
そういうわけで、ドーナツで眠らせたり、
ぐるぐると目をまわさせたり、
だまくらかして鍵をゲットしようともくろむ。
それで最後、閻魔大王が「よく来たな」と「地獄突破」と、
巻き物をくれる。
それは、いかんやろう。
報連相が、なってないよね、地獄って。
閻魔大王、いいんですか、それで。
クリアしてないし、全然。(土佐弁では、「へこまん」という。)
ということになり、
「だましてとった鍵はかえしてもらう。」
という展開になった。
これも、3日前のできごとである。
ただで、鍵を渡すわけにはいかんので、
だまくらかした主人公の子どもたちに負荷をかけ、
一輪車(足を持ってもらって、手で歩く)と、
V字腹筋(10秒)と腕立て伏せ(10回)と、
スクワット(30回)をすることになった。
さすが、筋トレクラス。
(ちなみに、部屋ではスクワットをやり出したら止まらなくなり、
みんなで110回もやったそうである。
本当に笑えるクラス。)
さて、最後の課題に取り組む主人公たちを見ながら、
閻魔大王役の子どもたちは・・・・、
「もっと、しっかり歩け~!」(一輪車)
「転がるな~!」(V字腹筋)
「ちゃんと腕を曲げろ~!」(腕立て伏せ)
「もっと足を落とせ~!」(スクワット)
と、すばらしい鬼教官だった。
こうして、劇は無事、倫理的に筋が通ったお話になったのだった。
ちなみに、休んでいて内容が変わったことを知らない子もいたが、
変わったその日の電話連絡と当日の練習だけで、
見事こなしていた。
スゴ。
当日は、閻魔大王の暴走が危ぶまれたが、
すばらしい塩梅のコメディとなり、大人の笑いを誘った。
練習でこれを見た私も、腹がよじれた。
子どもにとって、分かること、筋が通ることが、
彼らの頭にすっと入って行動力に変わっていくということが、
よくわかった2023年若草幼稚園の生活発表会だった。
子どものすてき。