朝早くから来る年長さんには、仕事がある。
砂場のシートを外して畳み、砂場道具を運んできて、
タイヤを運んで、朝の忍者通りをつくる。
朝の忍者通りとは、タイヤ渡り、両足飛越、ケンケンパ―などを。
クラスに行きがてらやるものである。
まぁ、かなり素通りしてますけど・・・・。
今年の年長さんのすごさは、
毎日毎日、時間になったら、これをきちっとするところである。
声をかけなくても、全てを完璧にする学年は、これまでなかった。
畳2畳分のシートを二人で呼吸を合わせて畳み、
水気を吸って汚れているそれを、一人か二人で、
何食わぬ顔で運ぶ。
両足飛越の間の距離も、一人がシャベル1つ分を測り、
一人が竹を置いていく。
重いタイヤもなんのそので運ぶ。
忍者踊りは、二か所に作るので、さーっと分担して動いている。
そういうわけで、子どもは、とても仕事ができる人たちなのだ、実は。
技能自体は、あるだろう。どの子も。
もっとも大変なのは、それをし続けることである。
それが、今年の年長はできた。
そうすると、新しいステージを見る。
それは、協力すると楽しい、協力するとスムーズ、
協力すると一人ではできないことができる、
ということである。
こうして、職人的こなれ感が出てくると、
何か引き締まった雰囲気が流れ始める。
そうすると、今まで「めんどくさい」、「興味ない」と、
静かに逃げていた子が、注目し始める。
そうして、Yちゃんが、やる気になった。
すると、周りの子たちの熟練ぶりにたじろぐ。
あ・うんの呼吸で、全てが進行しているところに、
どう入っていいのか、わからないのである。
そして、Yちゃんは泣いた。
「どうしたの?」と、先生が聞くと、
「やりたいけど、どうしたらいいかわからん。」
うーむ。自分で感じてくれたか、と先生は感動する。
そこへ、Mちゃんが(Mちゃんですので)、
Yちゃんの手を優しく引き、
「一緒にやろう。」と連れていった。
3月、子どもの成長をかみしめる毎日。
子どものすてき。