そして、無事、ブランコそばのベンチに着く。
2歳さんが二人、ブランコに乗っている。
長いベンチを用意しておいてよかった。
両脇にHくんとKちゃんが座り、お膝に背中のYくんが座る。
そこへ、Nちゃんが来た。
Nちゃんは、私とKちゃんの間に座ろうとして、
バランスを崩しこけそうになった。
そこで、Nちゃんは、Kちゃんを怒り、二人でわんわん泣き始めた。
Kちゃんは、ショックで泣き、
Nちゃんは、怒りで泣いている。
「Kちゃん、大丈夫だよ。Kちゃんは、何にも悪くないからね。
怒られて、びっくりした?」
と背中を撫でながら尋ねると、「うん。」といって泣いた。
「大丈夫だよ。」と背中を撫で続ける。
そして、Nちゃんには、
「こけそうになって、怖かった?」と聞くと、
「うわ~ん!」と泣きながら、うなづく。
少し、Kちゃんが落ち着いてきたが、Nちゃんは、
わたしはつらいがー!!
と全力で泣いている。
抱っこしないと収まるまい。
この全力泣きが今のNちゃんの流行りである。
そこで、お膝にいたYくんに、
「ちょっと、Nちゃん、抱っこしていいい?」
と聞くと、「ううん。」とそれは断固無理と拒否する。
「そうかい。」
だが、激しく泣くNちゃん。
そこへ、脇にいたHくんが「おしっこ!」と言った。
「何!それはいかん。」
と手をつなぎ、立ち上がるときには、膝にいたYくんは、
何も言わずに降りる。
「おしっこ」は、みんなにとって最優先事項である。
そこで、私はNちゃんを抱っこし、後ろの保育室にHくんと入る。
Kちゃんは、泣き止んでいる。朗らかな子だのぅ。
Nちゃんは、トイレの前で泣き止み、
「お外行く。」という。
「ちょっと、待って。今、Hくん見てるから。」
と、Nちゃんを抱っこしたままHくんの様子を見る。
Nちゃんを靴のまま抱っこしてきたので、
下におろせない・・・。
H氏は、実に上手におしっこをしているが、
ちんちんがくっついているせいで、あらぬ方向に飛んでしまった。
おぉっと。
そこで、Nちゃんを外におろすと、
笑顔で羽ばたく。
そこへ、5歳児のGくんが、
「蚊に刺された。」と膝をかきながらやってくる。
かわいそうに、数か所刺されてしまった。
薬を膝の一か所において、
「ちょっと、自分で伸ばしちょって。」と言い、
さらに、アロマの虫よけスプレーを渡し、
「ちょっと、自分でかけて」と渡す。
すまんのう、年長さん。
そして、東側にいた先生のフォローをもらって、
おしっこの世話をして、ベンチに戻る。
他の子どもにも、虫よけスプレーをする。
それに興味を持ったH氏が、「どうやってやるのかな。」と触っているうちに、
自分の顔にかけてしまった。
「いたい~!」と目をつぶって泣く。
「自分でかけたろ。」というと、
「うん。」とうなづく。
そこで、目を洗いに行く。
刺激は少ないものなので、すぐに楽になる。
それから、ブランコに乗っていた別のHくんとTちゃんがケンカする。
そのHくんがブランコを譲らず、沈黙が流れる。
それから、Kちゃんがこける、などなど。
実に目まぐるしい朝の時間で、
私は終始笑顔であった。
疲れたけどね、頭も身体も。
たった30分の間で・・・。
だけど、
こういう、すさまじき我のオンパレードに、
生きる力を感じる。
朝のすてき。