朝一番で、担任と一緒にやってきたHくん。
「どうやった?僕の絵。」
「もう~、最高よ~!!
すごい!
すばらしい!
めっちゃ上手。」
と彼が驚くほど褒めまくる。
「まみこ先生、はようきて、僕、いっぱい描くがやき。」
という。
なんと、嬉しいことを言うのか。
本番で終わりではない。
絵を描くということに向かって湧き出るやる気。
それは、何があっても行かないかん。
製作コーナーの机があいていたが、
やはり、専用のものがいるだろうと思い、
別の机をだす。
隣に座った彼は、あの紙だしてという。
自由に、間違えられる紙。
そして、鉛筆。
紙の大きさを2人で決める。
ちょうど、B5ぐらい。
そして、彼は、描き始めた。
ちゃんとパターンがある。
それにのって、安心して描く。
特に指は、誇らしげに描いていた。
5本かけるのは僕しかいない。
そうして、1人を描きあげ、
それから、2人目を描き、
それから、「はぁー。」と息を吐いて、
ストレッチなんかしたりする。
よっぽど集中しているのね。
それから、3人、4人と描いた。
4人も!
すばらしい。
めっちゃ上手や。
最高!
というわけで、二人で、それに台紙を貼り、
絵本仕立てにした。
お家に持って帰るという。
その顔は、有能感に輝いていた。
「ぼく、絵上手?」
と聞く。
「めっちゃ、上手や。最高。」
そして、次の日も、絵を描こうと誘われ、
その次の日も誘われた。
彼は私を誘ってきたとき、
「まみこ先生、絵、描こう。だって、絵描くの簡単やもん。」
と言っていた。
手順が分かる、こうすればいいんだ、
そんなシンプルなことが、子どもの心を支える。
子どものすてき。