園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2017.05.30

涙のあとで ・・・年少児

 

HちゃんとYちゃんが、置いてある○△□などの画用紙の形を、

さらに好きに切って、台紙に貼って遊んでいる。

2人の集中ぶりは、まさしく平行遊び。

Hちゃんは、切ることに思いを寄せ、

Yちゃんは、貼ることに思いを寄せている。

 

そうして、45分以上、取り組んでいる2人。

思い思いに、試行錯誤を重ねている。

私はその様子がとても興味深く、ずっと見ていた。

 

時々、テープの順番が重なって、

譲り合ったり、支え合ったりしている。

 そうして、Hちゃんが満足してその場を去った。

Yちゃんが一人残り、続けている。

 

ん?

泣いている?

 

なんだか、とっても悲しそうなお顔。

だから、手元がおぼつかなくなって、

テープが張れない。

もっと、悲しくなり、涙が落ちた。

 

「どうしたの?」

ポロポロと涙がこぼれ、グシグシとそれを拭くYちゃん。

「Hちゃんが、いなくなって、淋しくなった?」

と尋ねると、「うん。」とうなづく。

そして、黙っている。

「お母さんに、会いたくなった?」

と尋ねると、はっきりと「うん。」とうなづき、

声をあげて、泣き始めた。

 

Yちゃんを抱っこして、出来上がったコラージュを見る。

「これ、おかあさんにプレゼントする?」と尋ねると、

「うん。」といった顔が、明るくなった。

裏に、「おかあさんへ」と書くと、

「おとうさんにも、あかちゃんにも。」という。

「あかちゃんの名前はなんていうの?」

「なーちゃん。」

「じゃあ、なーちゃんへ、も書こう。」

なんていい子なんだろう、と感動しながら、

おかあさんへ、おとうさんへ、なーちゃんへと名前を書き、

最後にYより、と書く。

Yちゃんに、笑顔が浮かぶ。

 

それから、まだ終わってなかったコラージュを、

「これ、まだ続きする。」と言う。

いいなぁ。

終わってないって、わかってて、そのままにしない姿。

それから、彼女は、何度も何度も、私を見ながら取り組んだ。

集中してるといったって、

ちゃんと子どもには、孤独とか孤独じゃないとかあって、

いつでも、受け手を必要としている。

そんなことを感じたできごとだった。

 

それから、担任の先生も横に来てくれて、

ずっと見守ってくれた。

他の子が何か言ってきても、

「ちょっと待って、Yちゃんのこと見てるから。」

と先生が言うと、

Yちゃんの顔に花が咲いた。

 

できあがると、Yちゃんと先生は自然にハイタッチして、

一緒にカバンにしまいにいった。

 

Yちゃん、毎日がんばってるんだよね。

せんせいたち、ちゃんと思ってるからね。

ちゃんと迷わないで、待ってるからね。

Yちゃんのこと。

 

子どものすてき。