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日々わくわく
子どものすてき
きらりと光る子どもたちの姿をみなさんにお届けします。
2017年8月20日
Nちゃんについて ・・・2歳児

 

一番最初に目を惹いたのは、

彼女が、とても音楽的であるということだった。

 

何もかもが、リズミカルで、

弾むような何かを持っている子である。

 

その次に、わかったことは、超合理的、

ということだった。

わかればOKという、後をひかない行動が目立った。

 

彼女は、あまり私を好きではなく、

私も彼女の呼吸を計りかねるところがあって、

いまだに、とても難しさを感じている。

もちろん彼女には何の問題もなく、私に問題があるのである。

ただ、私は、彼女に見とれることがとても多く、

大変、心を魅かれている。

だから、「あなたには、無理に関わらないわ。」

という距離感に徹している。

 

そうして、わかってきたことは、

非常に自立心の高い子だということであった。

簡単に人は寄せ付けないし、心も開かない。

そこには、れっきとした「私」がある。

この私に甘えて抱っこされるなんぞ、

100年先でもなさそうである。

ある日、こけたので洗いに行こうと手を引いたら、

「自分で行く」とばかりに払いのけられた。               

 

彼女は、2歳でありながら、

超かっこいい子なのである。

 

夏休みは、担任が変わる。

知らない先生もいる。

今日、二歳のお部屋に入ると、

いつもの担任のいない子たちが、私のところに集まってきたので、

今の先生の名前を呼んで教えたりしながら、

こちょこちょを始める。

 

さて、Nちゃん。

Nちゃんは、さっきから私を殴ってきているが、

果たして、こちょこちょをされたいであろうか。

なんとなく、すると嫌がりそうな気もする。

しかし、それにしては、殴ってくる時間が長い。

 

というわけで、思い切って、

抱きとめて倒し、こちょこちょをした。

すると彼女はとても喜んだ。

「あ、よかった。」とほっとする私。

 

そうして、結局二人で何度もこちょこちょをするに至った。

しかし、いつもより相手の呼吸を計ろうとする私がいて、

彼女は、やっぱり、なんとも難しい子であった。

そして、なんとなく空気が落ち着いたところで、

私は、「まみこ先生、帰るわ」といって、

立って、戸口に向かった。

 

すると、Nちゃんが、

「タッチ」といって、私を呼び止めた。

それは、いつもお母さんと別れるときにする仕草である。

 

彼女は、私とタッチすると、

バイバイと手を振った。

 

別れの儀式。

 

類まれな知性をもつ子だなと思った。

楽しかったことへの、「おわり」という決別の儀式をする、

自制心、切り替えの心。

そして、その裏側にある寂しさ。

 

彼女は3月生まれ。

まだ、2歳でも、尊い人格がある。

 

あなたの音楽的な、弾むような心と身体が、

そしてその類まれな自立心が、

この園で花開き、育まれますように。

 

Nちゃんのすてき。

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