節分前で、生活発表会前の森は、すごいことになっていた。
「鬼」が出て、「大男」が出て、「怪盗」も出た。
ついでに、普段はヤマンバいて、山の神様もいることになっている。
ちなみに、今年の柊の木は、
丸ハゲになろうかという勢いで人気だった。
どんな森なん・・・。
第一展望所の下の洞窟が「鬼の住み家」ということになって、
うさぎ組は、「鬼がサンシャインで買い物をしている」間に見に行くことになった。
割に庶民的な鬼設定であったが、
他のクラスでは、そんな仕込みをしなかったもんだから、
真剣に怖がって、行かなかった子もいた。
ちなみに、あんまりこと怖がって泣く子には、
「まみこ先生は、ヤマンバで、鬼がいとこだから、
電話しといてあげる。絶対に連れて行かないでって。」
と大嘘をついて、納得させた。
さて、新人のN先生は、
生活発表会で、怪盗役をやる。
そこで、そのコスチュームを森に持って行き、
みんなが見てないうちに、こっそり身につけて、
驚かす計画を立てた。
ああ、わくわくするね~。そういうの。
そして、予定の場所に到着。
よし!
今だ!
彼女は、物陰に隠れ、準備を整えた。
そして、
さぁ、どうだ!
ジャンジャジャーン!
と、腰に手を当てて登場した。
だが、子どもたちは遙か下手におり、
誰も気づいてくれなかった。
しーん。
腰に手を当てたまま、
時間が止まる。
だが、彼女はめげずに、
にじり寄って気づいてもらった。
まぁ、いろいろあるわね。
新人のすてき。