とうとう、問題のイノシシが捕獲された。
猟師の方々、森のおじちゃんが、奔走してくれた。
森のおじちゃんは、手製の檻を作って、
何時間も森で張り込みをしてくれた。
猟師の方々も、頻繁に森に来てくださり、
檻と罠の位置を工夫してくれた。
最後は、真打的猟師さんの元で、
かのイノシシは捕獲された。
そのイノシシは、命だった。
まだ、温かく、柔らかで、幼かった。
ただ、生きるために食べ物を食べているつぶらな瞳の命だった。
思わず、「ごめんよ~!」と叫んだ。
私は、その子の身体を触ってみたり、
覗いてみたりした。
最後に、「匂いも嗅いじょこう。」
と顔を近づけた私に、
それまで見守ってくれていたおじさんたちも、
「おぉっと、ダニがおる!ダニが!」
と急いで止めてくれた。
「子どもたちに見せろうか。」というと、
「刺してるし、死んでるから。」とやんわり、反対された。
そうよね。
それで、猟師さんが、これから捌くというのに、
同行して見学させてもらうことにした。
今回、何も知らない自分を実感していたので、
この命の最後を見届けていこうと思った。
そういうわけで、
私は、その子の頭と四肢を切り落とし、
腹をさばいて、肉にするお手伝いをし、
心底疲れ果てたのであった。
猟師さんは、お肉をくれたとき、
「これが、この子の供養。」と言った。
その言葉は、まったく飾り気がなく、
私の心に入ってきた。
それから3日ほど、この強烈な体験が尾を引き、
なんか、お肉を食べることに精神力を要した。
お野菜は、その意味でとてもマイルドであった。
「肉を食らう」というのは、
とても攻撃的な行為なんだなぁとも思った。
だが、から揚げを食べる幸せを失いたくなかったので、
自分に「肉は最高!」と言い聞かせて、
3日間ほどよく寝ると、復活してきた。
この度は、保護者の皆様をはじめ、
たくさんの方々にご協力頂き、森の保育を続けることができました。
心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。