本園では、就職して3年間は「新人」としている。
石の上にも3年。
一年一年、大きな飛躍を遂げている新人たちであるが、
「予想外」の出来事がわんさかありすぎて、
頭を悩ます古参の我々である。
そして、以前であれば当り前とされている一般常識や、
生活技能に成長が見られ、
これほど喜ぶ私たちってどうよ、という、
何とも言えん、諦観と違和感を抱きながら、毎日を過ごしている。
私は、ある新人について、
大変、このやろう、と思っていた。
周りは、「かわいいのよね。」と笑っていたが、
私は、笑えなかった。
ところが、最近、笑えるどころか、
爆笑するようになってしまった。
今も腹が痛い。
森の研修の終わりに、ちょっと見分けがつかん植物の話をしていて、
その連想話で、
前に、ある人が小学生のとき、
母親にネギを買ってきてと言われて、にらを買ってきて、
すんごい怒られたって、
という話をした。
あぁ。
ねぇ。
経験ないと、そんなこともあるかもね~、
なんてみんながうなづく中、
一人、その保育者は、
「切るまでわからん。」
と言った。
なんで?
それで、以前の私は、そんなこともわからんで、
保育者やってていいと思ってんのか!
と心底憤っていたわけであるが、
何故か、今は、笑えちゃうんである。
何故であろうか?
それは、彼女が保育者として一番大切なものを持っているからだと思われる。
それは、子どもを純粋に思う心であり、
子どもの成長を心底喜べる人であり、
そのために、自分は全力を尽くしたいと思っている人だからである。
技能はないけどね。
だが、そこんとこで、
頑張ろうと努力している姿も見える。
それに、今年の彼女の席は、
お局二人で挟むという万全の体制を敷いている。
実際のところ、実に大っぴらに失敗を繰り返す、
その飾り気のなさ、セキュリティ感覚のなさは、
「実は、それ知らんかった」と思っている多くの新人を救っているだろう。
大地に根を張る、その純粋な心は、
なかなかない資質である。
避難訓練についての研修時にも、後輩に、
自分が不安な顔をすると子どもが不安になるから、
それは、してはいけないとアドバイスしていたらしい。
だが、カエルがひょんに2匹出てきて、
実は、カエルが苦手という新人が3人もいて、
魂の修行をしている際、
カエルが跳ぶたびに、ぎゃぁぁ!!と言っている後輩に対し、
「跳ばんと思うたら跳ばん!」
と言っていた。
跳ぶやろう。
新人のすてき。