若草幼稚園は、土を大事にしたい。
したがって、子どもの泥遊びを大事したい。
子どもが汚れる権利を急速に失っている今、
全国的にも大きな課題じゃないのかね。
若草幼稚園では、砂場の他に、泥場が2つある。
落ち着いて泥とかかわりつつ、全体の遊びの様子が見える場所、
ここに位置どるのが大事。
これは、恩師小川博久先生から学んだことである。
まわりのおもしろそうなことにアンテナを立てながら、
今に従事する、これが飽くなき子どもの興味関心の正体である。
このどろんこ工場は、とにかくメンテナンスが大変である。
ただの地面にキメの細かい土を買ってきて、置いているだけ、
ということが、その大変さを生んでいる。
ともかく、すぐにカチカチになるので、固い地面をほぐしておかなければならない。
どれだけ、ほぐしておくのか、ということは、
それをやった人の感覚とねがいによる。
雨上がりの絹のような泥を楽しんでほしいと思えば、
そこを避けてほぐしもするだろう。
で、子どもは、ほぐした土を使って、何かをつくる。
コーヒーやケーキ、お団子、クッキー、
それは様々である。
その作ったものを、子どもたちはほぐしている土のところには置かない。
目立たないからである。
その周辺に置く。
まぁ、お料理を鍋のままコンロのところで食べないのと同じである。
そういうわけで、土はどんどんと周辺へと散っていく。
だから、いつも同じ所定の場所を掘っていたら、
そこはどんどんと深くなり、えぐれていく。
そうして、雨水がたまるようになる。
それが腐ると手をつけたくなくなる。
さらに、草花が混じっているとそれが腐り、やな感じになる。
だから、落ち葉が舞う季節や花が落ちる季節は大変である。
そういうわけで、子どもが作ったものを移動させることでたまっていく
周辺の土を削って真ん中に戻しておくという形で、
土をほぐしていかなければならない。
それが、正しい方法である。
さらに、箒で取り切れない葉っぱや花は手で取り除く。
子どもに泥遊びをしてほしいと思ったら、
それが心地よかったり、美しかったり、おもしろかったりしなければならない。
泥が怖い子、汚れるのを怖がる子には、
まず、土の気持ちよさを伝える必要がある。
だから、メンテンナンスは大変大事なのだ。
つづく。