初めて、東京の電車のなかで「スマホで子守」を見た。
なかなかカンの強そうな男の子が、
「僕は、とても不愉快だ」という顔をしており、
そしてとうとう喚きはじめた。
そのとき、すかさず彼の目の前にスマホが伸びてきた。
それは、とてもとてもすばやかった。
「スマホで子守」は批判されて久しい。
しかし私は、そこにママの独特の不安を感じ取った。
「早く静かにさせること命。」
「それにおいて、スマホはめっちゃ特効薬。」
場面がぱんぱんと変わる電子刺激は、
ある種独特の脳みその使い方をするらしく、
終わると妙に子どもはいらいらする。
だから、よくない。
しかし、この場面を見たときに、「スマホで子守」を責める前に、
微笑みひとつ、いや、ただ頑張ってねとか、大変だねと、
まわりが思うだけで、「スマホ特効薬」は必要なくなるのでは、と思った
もう、子育ては親の責任という社会的通念から、
親を解放してあげなくちゃならないよね。
久しぶりに、子育てってイライラするんだったな、
現役のお母さんたち、真っ只中なんだな、
と改めて感じた出来事だった。