4年間の闘病生活ののち、
旅立とうとしている父を、家で看取ることにした。
自力呼吸は、およそ半分、あとは機械に頼っている。
家に帰ってきて、酸素吸入による乾燥を防ぐための蒸気の水を注文。
医療用にパッケージされていて、それを機械につなぐ。
母が、在宅医療の先生に、
「先生、もう一か月分、お願いします。まとめて。」
という。
「うんうん。」
あと、もって2日という父に、一か月分の注文。
それは希望の言葉であるけれども、なんとなく、そうね・・・、
という空気も流れる。
そこで母は、こういった。
「あまったら、飲めるろ。」
いや、飲めんろ。
母のすてき。