園長ブログ

子どもと咲く花

保育の醍醐味は、なんといっても先生のものです。

毎日がとても新しくて、きらきらしています。その点、園長といえばお花の世話をするか、えらそうにするか…。

けれど、決まったことがない分、ゆったりとここにいて、あの子、この子に出会えます。

あいまいな存在であるからこそ出会えるあの子のすてき、この子のすてき。

きらりと光る子どもたちの姿を心に留めておきたくて、こうしてコラムを書いてみることにしました。

子どものすてきが、どうか、みなさんに届きますように。

2021.03.30

小さいけれど、大きな飛躍 ・・・卒園児

 

卒園式を無事、終えることができた。

これは、みんなが心配!した男の子の話である。

 

彼は、大勢の人の前に立つのが、大変苦手である。

ところが、卒園式では、みんなの前で証書をもらって、

手を挙げて夢を言い、思い出を発表し、みんなで歌を歌う、

という任務があった。

 

どれも、すごく緊張する。

そこで影錬を積む。

 

「はいっ!

そこで止まらん!

そのまま続ける!

まわりは、じゃがいも!じゃがいもと思うたらえい。」

と激を飛ばすと、周りの子に、

「かぼちゃやろう。」

と突っ込まれる。

 

どっちでもえいし。

 

そして、本番。

証書をもらう場面の彼は、クタクタであった。

無理です無理です無理です~。

という雰囲気で、立つことすら困難であり、

発表なんぞ、とんでもなかった。

 

私は、祝辞で、主に彼やその他をイメージしながら、

こう、語った。

 

物事はやってみないとわかりません。

まずは、やってみること、

そして、できるようになるまで頑張ること、

できなかったとき、それまで頑張った自分をほめること、

これが大切です。

 

この思いが通じたのであろうか?

 

彼は、思い出を語る時、すくっと立っていた。

 

お。

 

だが、言おうとする瞬間に、

 

むり。

 

と判断し、即座に担任に首を振って見せた。

そこで、担任が代わりに、発表した。

 

そして、歌のとき、彼は、大変しっかりと歌っていた。

そこには、とても前向きな表情があった。

 

私は、小さいけれど、大きな飛躍に目を見張った。

 

次の日、彼に会って、

「卒園式、頑張ったやん~。」

というと、即座に、

「歌わんかったらよかった~。」

といった。

 

ということは、彼はやはり、意志を持って前向きに歌ったのであった。

そして、そこで彼なりの乗り越え体験をしたのであった。

その顔は、晴れやかである。

 

卒園式の1時間には、そんな飛躍のドラマがあった。

 

子どものすてき。