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日々わくわく
せんせいのすてき
毎日踏ん張り頑張る先生たちのすてきを綴っています。
2025年2月21日
愛情から生まれる常識

明日は、生活発表会。

保護者の方に、子どもたちの一年の学びの成果を見てもらう日。

私は、非常にわくわくしている。

 

今年は、調整に調整を重ね、子どもたち同士で見合う総練習は、

2日ずれた。

先生たちは、結構半泣きだった。

先生たちの半泣きに相関して、子どもたちは生き生きとしていた。

とても楽しそうだし、やりきって見せる!という気概も感じる。

そういうわけで、どのクラスも大変すばらしい。

 

その総練習のときのことである。

あるクラスで、ちょっとコミカルな雰囲気が出て、

子どもたちに笑いが起こった。

彼は、それがとても嬉しかった。

なので次の演技では、そこを意図して演じた。

それで、よけいに笑いが起こった。

彼は、それがとても嬉しくて、次は、もっとはっきりとそれをした。

それで、笑いがもっと盛り上がった。

 

すっかり有頂天になった彼は、

他の子どもの見せ場でも、舞台の前に出てきて、

今度はふざけ始めた。変顔を作り、おどけて見せる。

 

だが、その時は、誰も笑わなかった。

 

相当しつこく続けたが、だれも反応しない。

あんまり続けるので、付き合いで笑った子が一人だけいたが、

とても静かな大衆を前に、彼は、「ちがうんだな」と思って、

もとに戻った。

 

私は、なんてすばらしい情景だろうかと思った。

彼がふざけたことについては、致し方ないと思う気持ちもある。

自分のしたことを純粋に笑ってくれる人たちに出会った快感は、

相当なものだったろう。

緊張を裏目に出すタイプで、

練習はほぼ出ていなかったが、役割は全部覚えていて、

この日は意を決してきちんとやっていただけに、

こんなふうに、大衆に受け入れられたことは、

とても嬉しかったに違いない。

場をわきまえず、その快感を続けて得ようとする行動に、

若干無理もないと思った。

そして、お笑い芸人ってこうして生まれるのかなとも思った。

 

この場面で、子どもたちの笑いがずっと引きずられていたら、

私たちは、すぐにでも止めただろう。

だが、大衆である130人あまりの子どもたちは、笑わなかった。

誰も。

 

今、他の人の出番だけど、いいの?

 

という、困惑に近い沈黙だった。

それぞれのシーンを台無しにしてはいけない、というコモンセンス。

それは、一人一人の役割が大事だと子どもたちが思えている証である。

そして、その気持ちは保育者のまなざしが作っている。

保育者が一人一人を大事に思い、一人一人が光ってほしいと願い、

そのように毎日を過ごし、そのようにこの劇を作ってきたから、

子どもたちは、一人一人の役割を大切だと思っている。

その姿勢が、この沈黙の正体である。

 

常識は、思いやりから生まれている。

それを、まざまざと感じた出来事だった。

 

若草幼稚園の子どもたちと、

せんせいのすてき。

 

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