5歳児ばら組では、「三枚のお札」を骨格にして、
郵便屋さんとやまんばがやりとりする。
そこで、すでに苦しい。
と、講師の田代先生(共立女子大学)に突っ込まれる。
だが、なんとか、やろうじゃないか!
「郵便屋さんごっこ」も「三枚のお札ごっこ」も、
いつも楽しかったんだもの!
「『泣いた赤おに』にすればよかったね。お手紙出てくるし。」
と言われ、
うーむ、その手があったか!とも思いながら、
ともかく、やろうじゃないか。
と決意を新たにするばら組である。
さて、この主役の郵便屋さんだが、3つのグループに分かれている。
一つ目は、ダンスの得意な郵便屋さん、
二つ目は、楽器の得意な郵便屋さん
三つ目は、マジックの得意な郵便屋さんである。
それぞれの子どもの持ち味を出すために挿入されたシーンだが、
これを見たあやめ組のSくんがこういった。
「郵便屋さんに、こんな踊ってる暇あるのかね。」
よくわかってるじゃないか。
そこで・・・。
職員室で担任と話になる。
「やっぱさ~、サークル活動じゃないですか、サークル活動。
そうすると、やっぱり休憩時間ですよね。
休憩時間にダンスの練習するってやつ。」
「そうすると、太鼓は何やろう。」
・・・。
「お祭りですかね。」
「お祭り!それしかない。」
「郵便局で、お祭りに出るって、あはは。」
「よさこいよ、よさこい。
四国銀行だって、出てるじゃないか。」
「で、マジックは・・・?
歓送迎会やろう~。」
「あははは。」
「でも、歓送迎会とかいっても、子ども絶対わからんよね。
子どもに聞いてみよう。どんなときにマジックする?って
ダンスも太鼓も、子どもと相談してみて。」
ということになった。
そして次の日。
子どもたちは、大変元気よく、
「休憩時間になったから、ダンスの練習しよう!」
と言っていた。自分たちも、納得が行ったらしい。
そして、やはり太鼓はお祭りの練習という設定になり、
マジックは、「お花見パーティの出し物の練習」
ということになっていた。
なるほどね。
子どもにもわかる歓送迎会の風景だ。
こうして郵便屋さんは、
勤務中に遊んでいるようなことにならずに済み、
それは、子どもたちの意識にストンと入ったようだった。
本当は、この得意なことを生かした展開になればよかったのだろうが、
三枚のお札ごっこ要素が優先された。
そもそも、二つの共存することが難しいイメージを用いてしまった、
「苦しい」の反省点として、来年度に持ち越しである。
さらに当初は、やまんばと郵便屋さんが、
手紙のやりとりをすることになっていて、
ここも、「苦しい」と言われた。
だって、郵便屋さんは手紙を「届ける」人ですものね。
そこで、急遽、「お札のなる木」&大道具係が、
隣に住む鬼の役を務め、手紙のやりとりをすることになった。
(隣に住んでるんやったら、手紙書かんでいいんじゃないですか、
と突っ込みたかったが、まぁ、やまんばの家の隣って、めっちゃ離れてるんやろうし、
もう、本番2日前やしと、やめておいた。)
突然、振ってきた役に快く応じた大道具係の皆さん。
こうして、郵便屋さんは、無事手紙を届ける人になった。
いくつかの「苦しい」を乗り越え、
本番を迎えるばら組。
子どもが生き生きと変更点を受け入れて、
あっという間に劇を塗り替えているのを見ると、
「納得」って大事やなぁと思った次第である。
そして、本番は大成功だった。
キレのある言葉のやりとりにやりがいを感じていることがよくわかった。
頑張ったね。
成功、おめでとう。
子どものすてき。