年中さんのテーマは、「風」である。
これを水墨画で表現できたら、どんだけ素晴らしいか!
私は、非常に興奮したが、
ここには、相当な準備も必要であった。
幸いなことに、副担任のH先生は書道の先生なので、
いろんな相談に乗ってくださり、準備をしてくださった。
まず、筆屋さん来てもらって、
太め、細めの新しい筆を購入した。
あぁ、新しいっていいわねぇ、と心底思った。
それから、墨も濃墨と青墨の2種類を購入する。
天下一品の「風」にするためには、お金もいるわけである。
それから、H先生は濃度を研究してくれた。
そして、気持ちよく描ける、乾いてよい感じになる濃さを見出す。
どちらも本当に美しい。
次は、筆の練習である。
遊びのなかで、筆で水線を描く環境を置いていく。
また、グループで実際に描いてもみた。
そうして子どもは、力加減によって、
いろんな線が描けることがわかっていく。
森や園庭で、いろんな風を感じ、
いろんな風の動きを見つめ、
いろんな風を起こしてきた子どもたち。
そよぐ自然の心地よい風から、
よさこい用の扇風機3台を回して、
人工の強風を顔面と身体に浴びた子どもたち。
(軽トラで大型扇風機を持ってきてくれたA先生。
まっことありがとう!)
紙の大きさと筆と墨を自分で選んで、
「風」というテーマに挑んだ子どもたち。
体験と教材研究が、
子どもの表現を支える。
そりゃもう、すごいですよ。
先生のすてき。