今年の運動会も、保護者の方に深く感謝する日だった。
今の子どもたちは、家族や先生以外の大人たちと過ごす機会がめったにない。
その意味では、人的環境として極めて貧困である。
運動会は、多くの大人に慈しまれ、そして憧れるとても大事な機会である。
そんなわけで、「ひっぱりっこ」では、毎年大人の本気を見せてもらっている。
その迫力たるや、すごい。
5歳児の保護者の輝く姿を見て、
4歳児の保護者が、マジであれやるん・・・。
と思っているかもしんない。
今年も、水面下でさまざまな作戦が張り巡らされ、
負けてなるものかと闘志を燃やし続けてくれた年長児保護者の皆さんである。
そして、本番。
子どもチームあやめの2勝から始まった。
勝負は、おかあさんチームへと引き継がれる。
気合が入ったばら組ママ。
「とってやるぜ~。」的な素早さはあやめに分売が上がったが、
2勝をもぎりとっていった。
この時点で互角である。
そして、お父さんチームはあやめが一勝した。
なんという戦いか。
ここで「引き分けなら、子どもたちが勝負をつけます!」
とアナウンス。
それで、「なんとしても!なんとしてもここで負けるわけにはいかん!」
というすさまじき気合で、2戦目は、ばら組のパパが勝った!
すさまじき気合が要ったのは、あやめのパパの力がすごかったからである。
私も審判しながらめちゃめちゃ力んで、動いてもないのに、次の日筋肉痛であった。
観客の皆さんも力が入ったことだろう。
最後の一本は、長い長い、勝負だった。
綱が全く動かない時間もあった。
私は、心の中で、ひたすら感謝していた。
そして、「なんとしても魂」に運命が微笑み、
子ども同士の決戦へとつながっていった。
「子どもたち、見てますか!」という私の声に、
「はい!」と応える子どもたち。
そして、なんとばら組が勝ちをもぎりとった。
おそらく、力ではあやめの子どもたちが強かったが、
気合の渦巻きがばら組を応援した。
うーむ。
なんという、勝負だろう。
名勝負とはこのことである。
それで、最後は敵とそれぞれに握手して終わった。
その光景は、とても感動的で、みんなの顔に笑顔の花が咲いていた。
だが。
悔しいだろうなぁ。
と、あやめ組のママとパパに思いを馳せる。
比べものにはならないが、
前に、先生たちと2チームに分かれて雪合戦をやったときのことである。
あんまり楽勝やったんで、3本勝負にしたら、
相手がみるみる学習していって、負けてしまった。
その時の悔しさたるや、息ができんものであった。
今でも、悔しさの残り香を感知できるくらいである。
私は、こう見えて、あまり負けず嫌いではない。
自分に負けるのは嫌いであるが、
人に負けるのは、「あぁ、そうか。」と思うことが多い。
(特にスポーツに関しては、頭がまるで働かないという特技を持つ。)
だが、この雪合戦だけは違った。
なんでだろう。
もうやらないからか、勝ちをかっさらわれた感が強かったからか、
ともかく、息ができんほど悔しかったのである。
もしや、こんな気持ちなのではと、
そんなふうに、思ってしまう。
あやめ組さん、本当に、本当に、ありがとうございました。
そして、ばら組さん、おめでとうございます。
保護者のすてき。