いくつもの出来事が、同時進行で起こる保育現場。
特に、遊び保育では、それぞれの子どもの「今」を、
理解し続けていく能力が必要とされる。
そこで、今の学生たちの資質について悩む、全国の保育現場である。
ある研究発表のレジメでも、
泣いている子どもに気づかない保育者の課題が挙げられていた。
「ずっと、画面か黒板しか見てこなかったし、
そもそも黒板しか見ちゃいけないんだから、
周りの状況に気を配るなんて、できるわけないのよ。
そうやって、育ってないんだもん。」
というと、理事長がこういった。
「でも、俺は相当気を配ってたぜ。
早弁するから、前とか横とか、バレないように気を付けるだろ。
黒板も一応見るじゃん。
何やってるかは、わかんないといけないし。
それに、俺の場合、本も読まなくちゃならないからさぁ。
(授業に関係ない)
バレないように、常に四方に気を配ってたけどな。
だいたい、みんなそうだったよ。」
そうかい。
「言っとくけど、それ、ぜったいに、バレてるから。
絶対だよ。」
私は、教壇に立っているから知っている。
そんなもん、一発分かる。
まぁ、ともかく、学校でも気を配る能力、育つんや。
場合によっては。
学校のすてき。