去年、作品展のテーマが虫になって、
年中さんでは、キャベツを植えようということになった。
虫のために。
で、この秋、キャベツを植えた。
虫が来ないように、ネットが張ってあった。
気持ちはわかる。
それが人の自然。
だって、食べたいよね。
きれいに育つキャベツを見たいよね。
だが、A先生に言う。
「虫が来るためのキャベツじゃなかったっけ。」
「きゃ~。
端っこに、(虫のための)一つ植えます~。」
とのこと。
それからしばらく経ったある日、
キャベツの後ろがどうも空いているとのことで、
A先生が言う。
「ここに、お花を植えたらどうでしょう。」
「いいねぇ。それはいい!」
「キンセンカとか。
虫よけになるし。」
・・・。
虫のためのキャベツやなかったっけ!
だから!
虫が来な、いかんやん!
だが、心は美しいキャベツとそれを食す子どもたちに向かうのであった。
そして、実際、むき出しのキャベツはあっという間に青虫だらけになり、
なんか、筋が残って芸術的な形となり、
この間なんか、真ん中のあかちゃん葉っぱに青虫が頭をつっこんで埋まっていた。
しかし、ネットの中のキャベツは実にあおあおと美しい。
というわけで、せんせいのすてきというよりは、
人のすてき。