園長ブログ

せんせいのすてき

若草幼稚園は最高の幼稚園。

なぜかというと、20代から70代まですべての世代にまたがって、先生がいるからです。

若さもすてき、年寄り最高。

幼稚園の先生と言えば、「子どもたちが帰ったら何してるんですか?」 、これが何十年も変わらない質問です。

これに対して、いつも、「う、」 と黙ってしまう私たち。だって、いっぱいありすぎて、一言では言えません。

子どもを心からかわいいと思い、踏ん張り頑張る先生たちのすてきを綴ってみます。

2015.07.20

園長!どうすんの?!

 

大人と子ども。

そして、真剣勝負。

 

これは、とても難しい問題である。

 

歴然とした差。圧倒的な差。

しかしながら、子どもと大人は連続線上にある。

だから、子どもは大人に大きな憧れをもつ。

同時に、多大なる反抗心や敵愾心も燃やしている。

子どもというのは、いつも大人に対して、両義的な心をもっている。

 

お泊り保育では、いつもとうちゃんずの方々に、

子どもたちとめいいっぱい遊んでもらう。

そのための打ち合わせで、

大人が子どもと真剣勝負をする、本気の大切さと、

圧倒的な差をわかっている子どもに、

いつかは、ともすれば、

という希望もまた必要だということが、話し合われた。

 

以前、私は本気でHくんにリレーで負けたことがある。

そのときの、子どもの喜びようったら、なかった。

私の敗北感は、その僅差での負けよりも、

彼がその後、限りなく何度も走り続けているのに、

自分はゼーゼーで、もうそれ以上走れんことだった。

次の日から、私に対する挑戦者、多かったね~。

 

まぁ、それはよかろう。

 

まず、恒例になっているとうちゃんずとのドロケイ。

今までは、クラスに参加してもらっていたが、

今回は、とうちゃんずに泥棒になってもらって、

子どもが警察ということにした。

それで、時間で切って、牢屋にたくさん捕まえているクラスが勝ち。

 

子どもたちの前に、ズラリと12人のお父さんが並ぶ。

「こ、こわい。」という子どものつぶやきが。

そうなのだよ。

お父さんというのは、すごいのだよ。

でかいしね。

やはり、女性と男性は、違いますね。

 

それにしても、美しかった。

保育の中には、ときどき一生忘れないだろうという、美しい情景が広がる。

なにしろ、動きの躍動感が半端ない。

真剣に追いかけてくる子どもたちを、受け止め、かわし、

跳ね、走る。

 

だから、時間の笛がなったときの、

父ちゃんたちのゼーゼーぶりも半端なかった。

「ほ、本気出しすぎた。」

と、言っていた。すばらしすぎる。

結果、牢屋には一人。はははは。

子ども、最高のショックであった。

はははは。

 

次のクラスは、とうちゃんずの体内時計のズレにより、

7人!

ばら組の圧勝で終わった。

ははははは。

 

 

そして、次はひっぱりっこ。

綱3本勝負で、2本捕った方が勝ち。

打ち合わせで、ちょうどいい勝負になるように、

6人から8人のところで、子どもの様子を見て調整しようということになった。

 

で、ドロケイでゼーゼーになったので、8人ということに。

ところが、やってみての感触で、

大人1人で、どうも、5、6人はいけるらしいのである。

私は無理ですがね。

もう、お父さんたちすんごい笑顔。

 

そうして、子どもの力を感じてくれながら、綱2本がお父さん側へ渡った。

最後の一本を必死で引っ張る子どもたち。

 

25人対8人。

 

徐々に、徐々に、子どもの陣地へと綱が引っ張られていく。

わぁお、と心で興奮しながら眺めている園長ドウモト。

時々、お父さんたちがぐっと綱を引っ張る。

すると、子どもたちが、ズリズリ、と引っ張られる。

それでも、必至で引っ張る子どもたち。

あぁ、このまま、一本は自分たちのところに持って行くといいなぁと、

惚れ惚れ眺めていると、

 

「園長!園長!

という声が。

 

陶酔していたので、反応が遅くなる。

 

「はい?」

 

「どうすんの?!

 このまま、こっちに持ってっていいの?!」

 

「 

 いや、このままで、子どもの方へ。」

と、お願いする。

 

こうして、名勝負の装を呈して、最後の一本は子どもの側へと渡った。

子どもは、もう、本当に真剣で、

最初に2本捕られていたことなんか、もう、全然頭になくて、

結果を聞いて、がががーんとショックを受けていた。

いいね。

次のクラスも同様。

今度は、とうちゃんず6人だった。

 

最後は、あやめ対ばら、子ども同士の対決で、あやめ組が勝った。

 

真剣勝負というのは、実にいいもんだ。

結果を受け止めざるを得ない。

でもそこに、希望があると、また頑張れる。

本気を出し切ると、そこには何かしらの手応えというものがあって、

何かが腑に落ちて、出来事を向かい受ける力が強くなる。

 

父ちゃんたちは、愛でもって、子どもたちにそれをプレゼントしてくれた。

自分たちの力を自覚し、それを用いて、

子どもたちの憧れと本気を引き出してくれた。

 

お母さんをはじめ、お父さんも、

保護者という存在が、個を超えてまとまり、

全ての子どもを慈しんでくれること。

そこには、私たち保育者を超えていく保護者の力がある。

 

幼稚園を創るのは、子どもと先生と、保護者。

先生と保護者が、全ての子どもを包むことができたら、

子どもは幸せになる。

 

若草幼稚園、保護者のすてき。