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日々わくわく
せんせいのすてき
毎日踏ん張り頑張る先生たちのすてきを綴っています。
2015年7月20日
園長!どうすんの?!

 

大人と子ども。

そして、真剣勝負。

 

これは、とても難しい問題である。

 

歴然とした差。圧倒的な差。

しかしながら、子どもと大人は連続線上にある。

だから、子どもは大人に大きな憧れをもつ。

同時に、多大なる反抗心や敵愾心も燃やしている。

子どもというのは、いつも大人に対して、両義的な心をもっている。

 

お泊り保育では、いつもとうちゃんずの方々に、

子どもたちとめいいっぱい遊んでもらう。

そのための打ち合わせで、

大人が子どもと真剣勝負をする、本気の大切さと、

圧倒的な差をわかっている子どもに、

いつかは、ともすれば、

という希望もまた必要だということが、話し合われた。

 

以前、私は本気でHくんにリレーで負けたことがある。

そのときの、子どもの喜びようったら、なかった。

私の敗北感は、その僅差での負けよりも、

彼がその後、限りなく何度も走り続けているのに、

自分はゼーゼーで、もうそれ以上走れんことだった。

次の日から、私に対する挑戦者、多かったね~。

 

まぁ、それはよかろう。

 

まず、恒例になっているとうちゃんずとのドロケイ。

今までは、クラスに参加してもらっていたが、

今回は、とうちゃんずに泥棒になってもらって、

子どもが警察ということにした。

それで、時間で切って、牢屋にたくさん捕まえているクラスが勝ち。

 

子どもたちの前に、ズラリと12人のお父さんが並ぶ。

「こ、こわい。」という子どものつぶやきが。

そうなのだよ。

お父さんというのは、すごいのだよ。

でかいしね。

やはり、女性と男性は、違いますね。

 

それにしても、美しかった。

保育の中には、ときどき一生忘れないだろうという、美しい情景が広がる。

なにしろ、動きの躍動感が半端ない。

真剣に追いかけてくる子どもたちを、受け止め、かわし、

跳ね、走る。

 

だから、時間の笛がなったときの、

父ちゃんたちのゼーゼーぶりも半端なかった。

「ほ、本気出しすぎた。」

と、言っていた。すばらしすぎる。

結果、牢屋には一人。はははは。

子ども、最高のショックであった。

はははは。

 

次のクラスは、とうちゃんずの体内時計のズレにより、

7人!

ばら組の圧勝で終わった。

ははははは。

 

 

そして、次はひっぱりっこ。

綱3本勝負で、2本捕った方が勝ち。

打ち合わせで、ちょうどいい勝負になるように、

6人から8人のところで、子どもの様子を見て調整しようということになった。

 

で、ドロケイでゼーゼーになったので、8人ということに。

ところが、やってみての感触で、

大人1人で、どうも、5、6人はいけるらしいのである。

私は無理ですがね。

もう、お父さんたちすんごい笑顔。

 

そうして、子どもの力を感じてくれながら、綱2本がお父さん側へ渡った。

最後の一本を必死で引っ張る子どもたち。

 

25人対8人。

 

徐々に、徐々に、子どもの陣地へと綱が引っ張られていく。

わぁお、と心で興奮しながら眺めている園長ドウモト。

時々、お父さんたちがぐっと綱を引っ張る。

すると、子どもたちが、ズリズリ、と引っ張られる。

それでも、必至で引っ張る子どもたち。

あぁ、このまま、一本は自分たちのところに持って行くといいなぁと、

惚れ惚れ眺めていると、

 

「園長!園長!

という声が。

 

陶酔していたので、反応が遅くなる。

 

「はい?」

 

「どうすんの?!

 このまま、こっちに持ってっていいの?!」

 

「 

 いや、このままで、子どもの方へ。」

と、お願いする。

 

こうして、名勝負の装を呈して、最後の一本は子どもの側へと渡った。

子どもは、もう、本当に真剣で、

最初に2本捕られていたことなんか、もう、全然頭になくて、

結果を聞いて、がががーんとショックを受けていた。

いいね。

次のクラスも同様。

今度は、とうちゃんず6人だった。

 

最後は、あやめ対ばら、子ども同士の対決で、あやめ組が勝った。

 

真剣勝負というのは、実にいいもんだ。

結果を受け止めざるを得ない。

でもそこに、希望があると、また頑張れる。

本気を出し切ると、そこには何かしらの手応えというものがあって、

何かが腑に落ちて、出来事を向かい受ける力が強くなる。

 

父ちゃんたちは、愛でもって、子どもたちにそれをプレゼントしてくれた。

自分たちの力を自覚し、それを用いて、

子どもたちの憧れと本気を引き出してくれた。

 

お母さんをはじめ、お父さんも、

保護者という存在が、個を超えてまとまり、

全ての子どもを慈しんでくれること。

そこには、私たち保育者を超えていく保護者の力がある。

 

幼稚園を創るのは、子どもと先生と、保護者。

先生と保護者が、全ての子どもを包むことができたら、

子どもは幸せになる。

 

若草幼稚園、保護者のすてき。

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