数日後、カナヘビが見つかった。
それも私にとっては、ヘビの餌だった。
このカナヘビは、下腹が膨らんでいた。
裏が黄色っぽいのでメスらしい。
ということは、卵を持っているのかもしれない。
そう考えると、また私の心は重くなった。
だが、初志貫徹、ヘビに渡す。
だが予想通りヘビは動かず、なんと、そのカナヘビはヘビの上に足をかけて、
「出してくれ~。」とやっていた。
考えられん。
なんで、天敵にわざわざ近づいて、
それも上に乗って「助けてくれ~」とかするわけ?
食べられるやん。
と思う。
「敵=近づかない」は人間の法則なのか?
意味が分からなかったが、カナヘビはそれから2日ほどウロチョロしていた。
意気消沈に回復の兆しが全くなく、
「このまま死にます」という雰囲気満載のヘビと、
もしかしたら「お腹に卵おります」かものカナヘビを受けて、
私の心は限界を迎えた。
そこで、ひとまずカナヘビを放し、知り合いの蛇の専門家に電話をかけた。
続く。