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せんせいのすてき
毎日踏ん張り頑張る先生たちのすてきを綴っています。
2016年5月30日
ごっこ遊びとは何か③

 

やっと、ごっこ遊び③です。

ごっこ遊びは、現実社会を反映した営みの構造を持ってくると楽しくなる。

 

例えば、レストランごっこ。

店員さんがいて、商品があって、売る場所があること。

すなわち、ふり見立て、モノ見立て、場所見立て。

この3つの見立てが構造化されると、

ごっこはやりがいのあるおもしろいものへと発展する。

よくいう、遊びの発展とか深まりと言うのがこれである。

 

店員さんがお客さんを呼んで売る。

おいしそうなスパゲッティを毛糸で作り、紙粘土でクッキーを作る。

回転ずし屋なら、廃材や折り紙などを駆使して寿司を作る。

テーブルと椅子をセッティングし、内装を考えて、看板を作る。

見立てはいろんなふうに、工夫される。

 

遊びのトップ、すなわち落ちどころは、やりとりである。

売る、買うが節目である。

アイドルのダンスごっこなら、お客さんに見せるところ。

そのために、舞台や客席や衣装やチケットなど、

「らしく」なることを追求する。

つまり、トップに向かう道のりに、いかに試行錯誤があるか、

思いつきを出し合い、共有し合う過程があるかが、

遊びの楽しさに相関する。

 

だからといって、保育者が、遊びの楽しい「かたち」を、

先にイメージして導いてしまうと、やりがいが深まらない。

そして、子どものイメージが出る先をつぶしてしまう。

保育者の「こうするとおもしろくなるな!」という思いつきは、

あなたのものであって、子どものものではない。

だから、子どもがあなたの提案に対して、

拒否権を発動する関係を築けているかは、非常に重要な要素である。

また、難しいところかもしれないが、

トップのやりとりを楽しんでいるのに、よけいな提案をして、

やる気をつぶす、ということもよくある。

年少さんや年中さんのはじめは、

それでいいんである。それで。

 

とどのつまり、保育者が見るべきは、雰囲気である。

雰囲気を具体的に言えば、目と手が協応していること、

そして、子ども同士の発話や動きに、同調性があることである。

これが見える間は、特に援助は必要ない。

しかし、なんとなく、「浮いてる」感じになってきたとき、

次の手が必要である。

 

これについて、今いちわからない人は、

遊びを診断したことがない人である。

仮に保育者なら、精進したまえ。

 

そのときのために、保育者は、遊びの質と様態を見ておいて、

すなわち、ふり見立て、モノ見立て、場所見立てのどこから、

おもしろさを誘発できるか診断して、手を打つのである。

ここにおいて、子ども一人一人のキャラがどう絡み合っているかも

見ておかなければならない。

特に、それぞれの子どもの自己発揮の具合や、

遊びの主は誰なのか、そして、誰が混乱させているのか・・・。ふふ。

 

ともかく、自分の思いつきを思いついたままいうのではなく、

(それは、身体の大きなおせっかいやろうである。)

戦略として出すのが、プロなんである。

なんだか、思いついて楽しい~、どうどう?では、

一緒に遊んでいるお姉ちゃんと変わらんのである。

 

この戦略は、長い時間幅を持つ。

一日から、数週間へと戦略には時間幅がある。

子どもの発達から言えば、一年と言う視座もある。

 

うーむ、保育という海が深まってくるね。 

というわけで、とりあえず、ここまで。

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